「頭の良さ」とは、「予測する力」をいうのデス part2
(前回からの続き)
具体的にどう勉強すれば成績UPが確実に実現するか?実は頭脳の活動は、〈注意〉が向くことではじめて開始されるというのです。例えば飛んでくるボールに気づかなければうまく避けることができないように、〈注意〉が向かない情報は「無かった」も同然なのです。
ですから例えば算数問題で、問題作成者が試そうとした3つの数学的概念があったとすると、数学的思考を開始する3つのキーワードを見つけることは兎にも角にも重要なのです。「勉強が苦手」という生徒諸君に共通の特徴は、「問題を読み流してしまう」ことなのです。ザッと読み流すのでキーボードに注意が向かず、人間が持つ最高の学習能力といえる直感・ヒラメキが働かないわけです。
キーワードを見逃すと上記に説明したように、学力を引き出す「予測システム」が働かないため、直感やヒラメキが出てず「わからない」となり、結局は何に根拠もない「ヤマカンでトク」という非効率な勉強を繰り返すことになります。
ですから効果的な勉強とは、こうした頭脳の「予測システム」の精度を上げる〈訓練〉を盛り込むことが重要なのです。
ところがマーキング等の作業を踏まずただ問題文を読むだけでは、頭脳のある特性が学力向上を邪魔します。その正体は「感覚減衰」と呼ばれる特性です。これは「自分自身の行動で生じた感覚は、外部からの刺激で発生した感覚よりも弱く知覚する」と説明されます。
要するに、自分で問題文を読んでいる時は「常に情報が弱められる」ということが起こり、やっぱりなかなか注意が向かないのです。
例えば、「他人に脇の下をくすぐられると我慢できないのに、自分でくすぐるとそうでも無い」といったことがあります。同様に算数の問題文を読む時も、情報が弱められということが起こります。
学力UPには「直感」と「ヒラメキ」という学力システムが向上することが必須ですが、これら学力システムは全て〈注意〉から開始するのです。問題文のキーワードを拾えない状態では、これらシステム力の向上は期待できません。