【6色マーカー学習法】=マーキングと「視線」の関係性②=

 次に、影響を与えるのが、『視線移動回数』です。生徒たちは、問題文を見たときに、「主語⇒動詞」「動詞⇒目的語」「目的語⇒主語」など、正答を判断するまでに問題の英文中にある様々な要素を順番に「目で」確認し、最終的に解答を出します。 その際、解答を決定するまでに「主語⇒動詞」への視線移動を1回として計測した場合に、マーキングでのトレーニングを「する前」と「した後」では、どのように変化するのかを測定した結果、マーキングでのトレーニングをした後は、視線移動回数が明らかに減少するということがわかりました。つまり、正答を判断するまでの処理速度が速くなっていると言えます。
 上記のグラフは、三単現のSのテスト時の成績上位者と下位者の視線移動回数の違いを示しています。左側に成績上位者、右側に成績下位者の視線移動回数が示されています。3パターンありますが、どの場面においても成績上位者の視線移動回数は少ないという傾向がでています。これは、問題を見た瞬間、正答を導くために必要なキーワードが何であるかをある程度わかっている、必要な情報(キーワード)と不必要な情報(ワード)をすぐに選別することができているということを意味します。例えば、「三単現のS=主語の確認」というように。 
 逆に、成績下位者は、何がポイントでどこがキーワードになるのかを正確に判断するのに時間がかかり、何度も各要素を確認するという作業を行っていることがわかります。(問題文ではなく、欄外を見ている人もいます。)
 成績を向上させようと思うと、「できる人から学べ。」と言われるように、成績上位者が無意識的に行っている頭の中での処理作業を学ぶ必要があります。「6色マーカー学習法R」は、成績上位者が持っているキーワードを見抜く力、そこから正答に導くまでの処理速度に影響を与える傾向があることがわかってきました。影響を与える要因の一つに、「視線(視線移動回数・視線停留時間)」が関わっていることも、上記のように明らかになってきており、マーキングでの学習方法の有効性を科学的根拠を元に示すことが可能となってきています。
 勉強で成績を向上させるためには、必要な知識を習得することは当然ですが、解けるようになる「勉強の技術」を学ぶことが大切です。